鹿野道彦 今日の主張

 ◎思い起こせ(日本精神)


  5月23日の日本農業新聞“視点”欄に小倉元駐仏大使の標記投稿が載っていた。

日露戦争で負傷し、捕虜として日本の収容所で手当てを受けていたロシア将校の妻エリザが看病のため来日。その時最も心打たれたこととして「農民の勤勉さだけでなく、農業という営みや農民としての生業(なりわい)の中に潜む日本の精神・・・心をこめて作物を育てるその心情の深さと温かさに感動した」と手記に残していることに思いを寄せながら、小倉氏は「かつて農業の精神は日本人全体の精神としっかり結びついていたが、残念ながら機械と肥料と農薬と巨大流通機構のすべてが、農業という生業から「心」、あるいは作物と人間とを結ぶ精神的きづなを細く薄いものにしてしまった。そして第二次大戦後は、日本精神というと軍国主義や国家主義に結びつけられて批判的に見られるようになり、日本精神という言葉は聞かれなくなってしまったが、土を耕しそこから作物を育てる人々の精神は、単に農業、農民の精神であることを越えて、日本人全体の精神である。心と情けと思い入れこそ日本農業の精神であり、日本人全体の精神であることを今胸に手を当てて想起すべきではなかろうか」と我々が忘れかけている日本精神に一石を投じている。

  現在、国会では奇しくも農業の担い手法が審議されているところだが、様々な意見に提出側(政府)がどう答えていくのか注視したい。同時にこの記事には、農林官僚ではなく農林行政に直接の関りのない外務官僚として活躍した元大使の主張だけに説得力があり心ひかれる。

与党農林関係議員、農林官僚現役組は、市場絶対主義・効率主義にとらわれ、農業の原点「心」を忘れているのではないかと危惧する。この大切な「日本精神」をしっかり受け止め、次世代に引き継ぐべきだと考える。

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