鹿野道彦 今日の主張

 ◎TPP交渉参加表明 2013.3.15

15日(金)、安倍首相はTPP交渉参加を正式に表明した。このことは、TPP交渉参加の
賛否を問う以前に条理に反することだと強調したい。なぜなら、民主党政権に対して
マニフェスト違反と言って、ウソつきと徹底して攻撃した自民党が、昨年の総選挙で
TPP反対と公約で訴え、北海道から沖縄まで、地方の圧倒的支持を得て、政権を奪還
したのである。
それをまさに舌の根も乾かないうちに、公約を放り投げてしまったということだ。
自民党は、農林水産の重要品目や国民皆保険制度などの聖域を確保することを
最優先し、確保できないと判断した場合、脱退も辞さないと決議して、政府に求めた
という。懸命に公約違反ではないと弁明弁解しているようだが、誰が信じるのか。
詭弁にすぎない。

先ずTPPとは10年以内に全ての関税撤廃を原則とする協定であるのだ。それを承知
の上で、全ての物品が交渉の対象になることを認めて、交渉で例外品目を勝ち取るんだ
ということだろうが、聖域を称するものが守られる保証はどこにあるのか。
私自身、農林水産大臣時、国会でおコメですら例外扱いすることは極めて困難であると
明確に答えてきた。それが、コメも小麦も砂糖きびも乳製品も、牛肉も豚肉も守ることは
いかに非現実であるかは、国会議員であるなら誰もが分かっているはずだ。

因みにシンガポールで今月13日まで開かれたTPP第16回全体交渉会合で、議長は日本の
交渉参加問題に言及し、高いレベルの協議を求めることは当然のことと、いわば日本は
交渉参加してもあらゆるものを例外扱いすることは難しいんですよ、分かってますね、と
はっきり言っているのだ。加えて昨年12月から参加したカナダ、メキシコは、すでに
交渉参加している9か国が合意したことへの拒否権はダメと極めて不利な条件を飲まされたのだ。

自民党はそれでも聖域を守れるというのか。自民党はTPPの本質を分かっていて選挙公約したから
「カタチ」を繕うということで、決議して政府に申し入れたとするなら、まさにこの上ない
有権者に対する背信行為である。ましてや、情報を国民に提示もしていない、
国民的議論もなしの段階での交渉参加表明は、明らかに国民を無視した判断と言わざるを得ない。

TPPとは、関税撤廃だけでなく、21分野にまたがる我が国の社会の在り方に関わる国民生活に
とって極めて重要な協定である。故に国民に情報をしっかりと提供して、国民的議論を経てから
判断すべきと管内閣、野田内閣での参加表明を、時期尚早と私自身職を賭して懸命に阻止してきた。
今回与党の中から、いわば体を張って未だ判断の時期ではないとの動きがなかったことは
誠に残念である。

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