鹿野道彦 今日の主張

 ◎余裕の首相脱線気味

18日の毎日新聞、テレビ報道によると、ブッシュ大統領が「小泉首相はサンクトペテルブルグ(ロシアサミット会場)の場なり、メンフィス(プレスリー旧邸)の場をも支配してしまう。少しおとなしくした方がいいのではないか」と言ったということである。プレスリーのまねをしたり、ロシアで民謡に浮かれておどり出したりのパフォーマンスに、はしゃぎすぎではないかと諭したのだ。

ちょうどその折、朝日新聞時流自論欄に写真家で作家の藤原新也氏の投稿が掲載されていた。

「あれ気恥ずかしくて、どこか穴があったら入りたいという気持ちでしたよね」小泉首相が米テネシー州メンフィスのプレスリー邸で、プレスリーの猿まねをしたテレビ報道を見た知り合いの主婦の感想である。

一国の長がアメリカの有名な芸能人の猿まねをして、それを評価する国はどこにもないばかりか軽蔑されるのは誰の目にも明らかだ。ワシントンポストでさえ「早い話小泉はすぐ興奮する愚か者だったがブッシュは冷静だった」と一刀両断に切り捨てている。

プレスリー邸での小泉首相の周りには、ブッシュ夫婦以下世界各国のメディアが一歩引いた眼差しで見守っていたということである。裸の王様ほど怖いものはないとつくづく思いしらされた。とおおむね以上のような内容である。

この件について私自身トップリーダーの立場をわきまえるべきであると指摘してきたが、やはり私だけの(とらえ)印象ではなかったのだと正直一種の安堵感をおぼえたのである。

ということは、実際その後に報道機関その他でとりあげらる機会はなかったようでもあるし、いわゆる識者の間からも、各界の代表者からも、もちろん政治家からもほとんど批判の声は聞こえてこなかった。

このままでいいのかな!わが国の良識なり健全な批判精神はどこに行ってしまったのかと思っておっただけに、見ている人はきちんと判断し評価をしておられるんだなと胸を撫で下ろすような心境だったということである。

もう9月には首相をやめるのであるから、あれくらいのポーズはいいんじゃないのとか、冗談は愛嬌よと言う人もいるかもしれないが、いまだ一国の首相であるかぎりは首相としての振舞があるはずである。

首相として許容されるパフォーマンスの限度を超えたはしゃぎ姿は、国際社会にさらしてはならないのだ。

現在お茶の水大学の藤原教授の著書「国家の品格」が発売後200万部を突破し大きな反響をよんでいるが、今日のわが国の国政は北朝鮮のミサイル発射等内外ともに喫緊の課題を抱えておりより、一層の緊張感を持って取り組んでいかなければならない時。まさに首相の品格、政治家の品格こそが問われているのではないだろうかと考える。


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