鹿野道彦 今日の主張

 ◎東証 今年最安値

12日の東京株式市場の日経平均株価の終値は、15,197円と今年最安値となった。
一方、東京外国為替市場で円相場は、一時109円台まで上昇した。
アメリカのサブプライムローン(米 低所得者向け住宅融資)の焦げ付き問題への懸念から、米の株安・ドル安の流れが東京市場での株安円高につながったと言われている。
アメリカのサブプライムローンは、15%の高金利で主に低所得層の住宅取得に融資されていたのだ。だから住宅価格が15%以上高騰し続けなければ、資金がまわらない仕組みになっていたということである。
このことは、金利で儲けようとする金融経済の限界ともいえるのではないだろうか。
実はこのアメリカのマネーゲームを支えてきたのが、日本の低金利政策でもあったのだ。それは低金利の日本から借り入れた円を、ドルに換えて発展途上国や欧米市場に投資する「円キャリートレード」がサブプライムローンにもまわっていたのである。もちろん国内でも、富裕層が低金利の資金を借りて株式に投資していたのだ。
だからこそ日米両国の株価は、かなり高水準にまで上昇してきたとも言える。
そして輸出関連の大企業は、低金利による円安で利益をあげてきたのである。
その今までの政府が、不良債権処理だ、デフレ克服だとの名目で低金利政策を続け、円安を誘導してきた舞台裏がみえてきたのだ。
低金利政策で円安にとの構造改革によって、日本経済は仮面をかぶりながら背伸びしてきたともいえるのではないだろうか。
このことからして、日本の構造改革がアメリカのマネーゲームを加速させた一面もあることを否定できないと考える。
そのアメリカのマネーゲームが破綻し始めたのだ。日本経済にも悪影響を及ぼすことは必至である。
日本政府の成長路線(上げ潮路線)だとの啓発による株価上昇が一転、この度のアメリカの金融不安からの株価下落となり、一般投資家は大きな打撃を受けているのが現実だ。
我が国の実態経済が順調であれば調整は必要ないのであるが、現在の金利も、為替も株価も膨らみすぎているのが実情のような気がする。
この時円高は家計にとっては決してマイナスではないことも考慮し、構造改革への幻想は未だ残っているようだが、きっぱりと調整はこれ以上先送りすべきでないと判断すべき時ではないだろうか。
ただし原油と穀物の高騰が国民生活に深刻な状況を与えていることを踏まえ、弱者の立場の人々に配意した政策転換が求められると考える。
根本的には官僚に委ねるのではなく、今こそ政治主導による、すなわち政治家の決断の政権運営がのぞまれると言うことだ。

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