鹿野道彦 今日の主張

 ◎福田首相外交デビュー

21日福田首相は、訪問先の米国とシンガポールの両国での滞在中、10数ヶ国との首脳と初顔合せを終え帰国した。
福田外交のキャッチフレーズは「日米同盟とアジア外交の共鳴」ということで、外交の要である日米同盟を基礎として筋の通ったアジア外交を行うことだと言う。すなわち日米同盟、アジア外交の双方を重視するということだろう。
確かに福田首相の外交デビューはまず訪米、そしてシンガポールでの中国、韓国両首脳との会談と順番は福田首相の考えに沿ってということだ。
しかしながら一連の首脳会談では、それぞれの国との懸案問題には踏み込むことを避けていたようだ。
日米首脳会談では拉致問題に絡むテロ支援国指定解除に就いて、ブッシュ大統領に解除しないようにとの念押しはなかった。
日中首脳会談での福田首相は、東シナ海のガス田開発問題、国際的に問題になっている食の安全に就いて、そして軍事費の不透明さにも触れることはなかった。
日韓首脳会談は、盧大統領が事実上歴史問題や竹島問題にクギを刺したようだが、福田首相はこのことに具体的な応答はしなかったと報道されている。
読売新聞は、いみじくもこれを「いわぬが花」外交と記述しているが、ひと言でいえば福田カラーということなのだろうか。
しかし各国の首脳が国益を懸けて外交を展開している国際社会で「阿吽(あうん)の呼吸」外交は通用しないのである。
主張する外交でなければ外交とは言えないのだ。ましてや福田首相の外交デビューの場こそが、わが国の外交の理念と基本的方針を指示する絶好の機会であったはずだ。
しっかりと日本の外交の考え方を首脳が打ち出さない限り、国際社会でのとりわけアジアに於けるプレゼンスは低下するだけだ。
だからこそこれからの日本外交は、官僚に任せるのではなく政治家が外交を担当する気概を示すことが求められているのだと思う。
外交デビューであるからと低姿勢だけでは相手国の思う壷である。

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