鹿野道彦 今日の主張

 ◎イージス艦「あたご」

千葉県房総半島沖でのイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」が衝突した事故に就いて、防衛省は当初事故の2分前に視認したと説明していたが、事故「12分前」に視認していたことが、その後の防衛省の調査で明らかになった。
このことはもちろん徹底した原因究明が求められるが、「あたご」側に回避義務があるにもかかわらず、適切な回避行動がなされず、衝突事故を招いてしまったということであると言わざるを得ない。
世界最高レベルのレーダーを搭載した建造費1,400億円のイージス艦が、当然漁船を警戒しなければならないにもかかわらず視界良好でもある中、漁船を切り削くような衝突事故をおこしたことは、イージス艦「あたご」の監視体制にゆるみがあったということである。
ましてや事故の報告が、防衛大臣には事故から1時間30分後、総理大臣には2時間後になされたということだ。
この報告の遅れは弁明の余地はない。
今まで政府が重大事件・事故の度に強調してきた、危機管理能力の強化とはいったい何であったのかということだ。
まさに防衛省全体のゆるみときりとらえざるを得ない。
20年前の海上自衛隊の潜水艦「なだしお」が釣舟と衝突して、尊い30人の命を犠牲にした事故の教訓が忘れ去られたてしまっておったということだ。
わが国土と国民を守る為のイージス艦が、なんと同胞に災厄を及ぼすなどということは、政府の責任の重さははかりしれないものがある。
防衛省の守屋前事務次官の収賄事件をはじめ、防衛省昇格後次から次と不祥事が明らかになっているが、今回の事故の際防衛省側が被害者の家族に何もしゃべらないでほしいとの要請をしたことなど報道されているが、根本から防衛省の体質を改める以外に国民との信頼関係を取り戻すことは出来ない。
少なくとも、一刻も早い親子救出に全力を尽くし、事故に至るまでの経過についてきちんと説明し、防衛大臣が責任を明確にすることから信頼回復に向けてスタートしなければならいのではないかと考える。

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