鹿野道彦 今日の主張

 ◎後期高齢者医療制度

75歳以上を対象とした「後期高齢者医療制度」が、4月1日から始まった。これまで国民健康保険(国保)に加入していた75歳以上1,300万人全員が新制度に移行したのである。
被用者保険の被扶養者には半年間の免除等激変緩和措置があるとはいえ、基本的には各個人に保険料支払い義務が生じるのだ。月額平均6,000円の保険料である。
そして新制度は、保険料を年金からの天引きが原則となる。
この制度が、スタートと同時に「後期高齢者医療制度」の「仕組みはどうなっているのか」との問い合わせが、都道府県広域連合や市町村の窓口に殺到したという。
2005年末に決めた制度であるから、周知期間は十分あったはずだ。まさに、政府の全被保険者に対する説明不足である。
すべての高齢者から保険料を徴収することは、高齢者と現役世代からの負担を明確にすることであり、むやみに医者に行くなというわけだとの報道もある。
高齢者になるまで、家族のため、地域のため、国のために一生懸命働いてこられた高齢者すべての人に、財政的事情からということで更に負担を課すことは、政府の進むべき方向としてどうなんだろうと疑念を持たざるを得ない。
今まで政府として優先してやるべきことは、財政再建に見通しを立て、福祉政策をきちんと固めることであったのではないだろうか。
それが不良債権処理と民営化に政府のエネルギーを費やし、結果として格差と地域の疲弊を招き、東京にミニバブル経済をおこしただけであったような気がしてならない。
福田首相は「後期高齢者医療制度」はネーミングが良くないから「長寿医療制度」にすべきと指示をしたというが、名称を変えれば済むという問題ではない。
この制度が間違いなく良い制度であるとの認識なら、名称を変える必要もないのである。
名称を変えなければならないということは、政府自体が制度の有り方に揺らいでいるということではないだろうか。
これでは、とても高齢者の不安を払拭できるものではない。
ましてや5,000万件以上の消えた年金記録のうち、確認出来たのは
1,172万件、わずか1/4に過ぎない段階で、保険料を年金から天引きとは、高齢者からこれまた理解を得ることは難しいのではないだろうか。
もう一度、根本から高齢者医療制度全般を見直すことが求められていると考える。


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