鹿野道彦 今日の主張

 ◎定額給付金

12日政府は追加経済対策としての柱と位置づける名称「定額給付金」、いわゆる現金給付策を決めた。総理の記者会見後、二転三転の迷走の末、所得制限を設けるかどうかの支給対象を地方自治体へ丸投げした。中央政府がこの策を決めた限り、制度の実施の全責任を負わなければならない。都合の悪いところは「地方分権」たからといって地方自治体にあずけられては、自治体にとっては事務的な業務が増えるだけで迷惑な話である。土台これだけ迷走したのは元々定額減税案であったのが姿を変えたことから始まったのだ。
経済対策なのか福祉対策なのかあいまいになり、政策が理念を失ってしまい、結局選挙対策であることだけが浮彫りにされたということではないか。これでは一年ぽっきりの施策であるし、景気対策にはつながりにくいと言われるのもあたりまえだ。
2兆円の財源があるならもっと国民生活に活かした使い方があるはずだ。
具体的には、現在生活保護の対象となる低所得水準の人々は1600万人といわれている。この内実際に生活保護の対象になっている人は10%以下の程度である。生活保護の資格検査が実に厳しいのだ。全体の生活保護費が削られているからだ。そこで対象となりうる母子家庭、高齢者等にもっと柔軟な対応があっていいはずだ。生活保護の申請者には直ちに断らないで、例えば検査基準を緩めるとか、4人家族で1ヶ月18万円が最低所得水準とするなら、14万円にとどまっている世帯には4万円加算するとかの柔軟な方策ができるはずだ。役所の窓口からは、所得が少なければもっと働けと言われるというが“働くところ”がないのである。先進国の中で生活保護の審査は日本が一番厳しいといわれている。また、授業料を納められない世帯、給食費を払えない世帯とかに具体的な施策を講ずることも含めて、生活が苦しい低い所得の1600万人の人達にひかりをあてることもひとつの方法ではないだろうか。
そして今、不況から職を失う国民が増えている。若い人は失業保険3ヶ月の給付、定年でも5ヶ月、解雇は6ヶ月給付となっているが、仕事したくとも仕事がみつからないのだから、給付期間を3ヶ月ぐらい延ばすことも考えていいのではないか。さらに後期高齢者医療制度の年金天引きの保険料を一時凍結し、高齢者の不安感を少しでも取り除くこともできるはずである。
今の日本の現状からするなら、何をしたいかより何をすべきかが重要である。そして強調したいことは、求められるのはスピードであるということだ。なぜ第2次補正予算案等をこの臨時国会に延長してでも提出しないのかということに疑問を投げかけざるを得ない。提出しないなら、この間に国民に審判を委ねて安定政権をつくることが望ましかったのではないか。
アメリカは来年の1月20日から新政権のスタートである。この間約2ヶ月の空白期間である。この時こそ日本が国民の選んだ内閣により、具体的な経済対策を断行することが望ましかったのではないかということである。
政権の保身のための党利党略を考えている余裕はない。良いと思う政策は次から次と断行することである。今の日本は強力な政治のリーダーシップがどうしても必要であると考える。

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