鹿野道彦 今日の主張

 ◎担い手経営安定新法


6月15日、担い手経営安定新法が参議院で可決され成立した。来年の4月1日施行である。

経営安定対策の対象となる担い手は耕作面積4ha以上(北海道は10ha以上)集落営農は20ha以上と設定された。

政府が施策対象を絞り込み、経営を維持するため本格的所得政策に転換し自給率を向上させるということである。

ちなみに民主党は以前から価格政策から所得補償政策に切りかえての直接支払い制度(先進諸国のほとんどが導入)を主張してきた。

そこで政府は財源になり、交付金単価など具体的内容は今年7月に決定するとしているが、問題は生産現場からしてメリットとしてとらえることが出来る支援策なのかどうかということである。例えば現行の麦作経営安定資金や大豆交付金は入らなくなるのだ。生産意欲に影響を及ぼすことになる。自給率向上には麦・大豆の増産が不可欠であるはずだ。

また対策の対象は全農家の3割、耕地面積の5割に限られるというならば、その施策の対象外になる農家はどうなるのか明確に示されていない。

民主党は新しい政策を実施していく上でまず大事なことは、今日までの農政を反省し生産現場の実情を重視しなければならないと考え(二種兼農業の定着等)、まず第一段階として施策の対象を販売農家およそ170万戸と定めた。

そして10年間の移行期間内で規模を拡大した農家には規模加算を、品質の良い農産物を生産した農家には品質加算をしていく仕組みを盛り込んだ。

わが国の農業の実態に沿った形で農業法人化も含め構造改革を進めていくという考え方だ。このことは技術の向上にもつながり、経営感覚を養い、結果として環境を護り、安全指向の高い消費者の期待に応えることが出来るのである。ゆえに「バラマキ」との批判は当たらない。

また農家にメリットがハッキリと分かるように直接支払いの規模を1兆円程度と考えている。政府策は単に担い手を絞り込むだけだが民主党はどうやって担い手を育て上げていくかが重要なポイントと位置付けている。

これからの未来を見据えた農業政策を期するに、最も大事な根幹は担い手を中央が決めるような従来通りの官主導ではなく、あくまでも農業者が主体的に判断し、農家が主役の農業政策でなければならない。

 | HOME | 

カレンダー

« | 2017-07 | »
S M T W T F S
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

月間アーカイブ