鹿野道彦 今日の主張

 ◎首相の終戦の日靖国神社参拝


小泉首相は、8月15日(終戦記念日)靖国神社を参拝した。2001年の自民党総裁選での終戦の日8月15日に参拝の公約を果たしたということだろう。

極秘に世論調査した上で、国民の意識の動向を確かめて踏み切ったのではないかとか、9月に首相を辞めるのだから近隣諸国の反応も影響はそれほど大きくはないだろうとの判断でもあったと言われている。

靖国問題をどうみるか、世代も含めていろいろ異なることはもちろん否定するものではない。

私が強調したいのは、首相の立場である。

日本の思う通りにはいかない厳しい国際社会の現実を踏まえて、国民全体の幸せを常に考えるのが首相としての基本的姿勢ではないかということである。

小泉首相の考え方に必ずしも同調しない国民に対し、丁寧に説明したとは思えない。ましてや首相の参拝が近隣の国々に理解されていると考える国民は少ないだろう。

自分自身の考えが正しいと決めてかかる手法は果たしてトップリーダーとして相応しい態度なのだろうか。

信念が不屈であるということは、国家観や歴史観、思想信条を持ち、自らの生活での実践の裏付けがあってはじめて認められることであって、執念とはおのづと違うはずである。

今日の我が国は過去をしっかりと検証し、現在の国の内外をきちんと見つめ、未来に備えることが求められていると考える。

国家国民全体として、先の大戦の責任問題に正面から向き合ってこなかったことを反省し、未来に向かってその教訓を活かし緊密な国際協調の道を切りひらいていくのが首相の責務ではないだろうか。

ナショナリズム的言動は、国民にとって実に心地好いものであるが、首相自ら靖国参拝を政治問題化し、国論の二分化を一層顕著にし、アジア外交が実質停止している状況は、国益に結びついていることにはならないと考える。

小泉首相は9月に退陣するのだから、あとは適当にやればいいということでは首相の責務を負っているとは思えない。まだ首相なのだ。

首相であるかぎりは、日本の将来の展望を見据えることが出来るように振舞うことが大事ではないだろうかと思わざるを得ない。


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