鹿野道彦 今日の主張

 ◎民主党政治スクール


8月26日、民主党山形県連と第1区総支部共催で、政治スクールを山形市で開催した。

テーマは「格差社会」である。

講師は経済学の高橋伸彰 立命館大教授に来形してもらった。

講演の後に積極的な質疑応答も有り、実に熱心な雰囲気での意義ある2時間の勉強会だった。

私自身、昨年の総選挙の際に格差社会の拡大を懸念しその是正を訴えたが、有権者の関心度合いはまだ低かったような気がする。

その後ようやく小泉自民党政治の負の遺産として、格差社会の問題点が新聞等で取り上げられるようになってきた。

近々の世論調査でも、税制改革等に次ぐ関心事であることの調査の結果が出ている。

講演の主たるポイントは2点であった。

ひとつは、格差そのもの貧困をどうするかである。わが国では、国民生活は豊かになっているが、実は現在国民全体の20%近い人々が貧困層であるということだ。

ふたつめは、不合理な格差要因をどうするかである。東京で頑張った人と地方で頑張った人に差があることとか、男か女かで差があったり、同じ社員でも正規の社員と非正規社員との間に差があることなどを示している。

今基本的に豊かさを得ている人には、心を揺さぶられるような不安は感じないかもしれないが、現実はいつの間にか1億層中流化社会が崩壊しているのである。中流社会の定着がわが国の安定の根幹であったことからして、高橋教授は今日のわが国の格差社会の拡がりに警告を発しているのだ。

今日では、世界でも格差は拡がっている。

すでに国連も、1990年代に格差の拡大を危惧し、警鐘乱打し是正を求めている。

ドラッガー博士・ガルブレイス教授をはじめとする20世紀を代表する賢人たちも、世界の政治指導者が貧困問題にもっと重大な関心を持つことを促し、ケインズの正統な後継者であるケンブリッジ大学のジョンロビンソン教授は「貧困の解消と格差の縮小がよりよい社会をつくることになる」と強調したことを改めて認識しなければならないと考える。

各界の指導者から、機会の平等による格差は良いことであるとのわが国の主張が聞こえてくる。しかし、機会の平等を判断することは実に難しいことなのだ。判断によっては不平等が生まれることにもなるからだ。そして、機会の平等の結果が次の世代(子供達)の不平等を生むことにもなる。人間の生活は、一代限りではない。

政治家三代目の小泉首相の「格差社会はいいんでないの」との発言は、二代目でも三代目でもない国民からするなら、三代目の人からは「言われたくないね」という心境ではないだろうか。

すなわち納得できない格差が不平等感を増幅し、お互い助け合い連携しあう心を希薄にし、結果として政府に対する国民の信頼を失うことになるのだ。

政府が信頼されないことはまちがいなく不安定な社会を招くことになり、国民にとって大きな損失である。

私は、社会主義者でも共産主義者でもない。純粋な自由主義者だ。

わが国が永きに渡ってお互いに協力し合いながら、地域社会の安定を築いてきた日本の歴史を大事にしたいのだ。

わが国の次世代の国民が、生まれながらにして人生が決まっているような階級的格差社会にしてはならないことが、政治の使命であることを民主党政治スクールで改めて学んだのだ。


 | HOME | 

カレンダー

« | 2017-05 | »
S M T W T F S
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

月間アーカイブ