鹿野道彦 今日の主張

 ◎景気は拡大しても国内生産は増えない? 2013.7.1

 日本経済新聞社が6月22日に行った「社長100人アンケート」を見ると、国内景気は「拡大している」と回答した経営者は90.5%に達したと言う。

 一方、「現在の国内景気は半年前と比べてどう変化したと思いますか」という質問に対しては、「よくなった」と回答した経営者はわずか13.5%に過ぎない。同じ質問に対して64.2%の経営者が「すでに改善の兆しが見えてきた」と答えているが、見えてきたのは改善の「兆し」であり回復の実感となると、経営者にとっても、まだ、雲をつかむような話なのである。

 だから、今回の「円高修正を受け、国内の生産規模を今後どのようにされる方針ですか」という質問に対しても、「拡大する方針」と答えた経営者は6.8%と一割にも達していない。また、「円高修正を受け、海外の生産規模を今後、どのようにされる方針ですか」という質問に対しても、6割近い経営者は「拡大する方針」あるいは「現状を維持する」と答えており、海外生産を「縮小する」と答えた経営者はゼロだった。

 安倍政権が参議院選挙を控えて、法人税減税だとか、設備投資減税といった企業向けの減税を検討・実施すると叫びはじめているのは、株高と円安だけでは、国内の設備投資も生産も増えないことを痛感したからではないだろうか。

 いまの日本経済は焚き始めの、お風呂のような状態である。熱いのは表面だけで、中はまだまだ冷たい。かき混ぜると、とても人が入れるような温度ではない。

 表面だけを取り繕うのではなく、底から暖める。これが政治の果たすべき役割である。実際に生活をしている人の暮らしが良くならなければ、日本経済は再生しない。

 私は問いたい。株が上がり、円が安くなって、農家の人の暮らしは良くなりましたか?漁業で暮らす人の生活は向上しましたか?林業を営む人はどうですか?工場で働く人たち、商店街でお店を営む人たち、非正規で働いている人たち・・・はどうですか?

 マーケット関係者の目線ではなく、国民の目線で経済を見ること。これが政治家にとって大切なことである。

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