鹿野道彦 今日の主張

 ◎本当に日本経済は回復しているのだろうか 2013.7.2

日本経済が本当に回復しているのなら、こんなに良いことはない。
しかし、選挙を前にして実態以上に「良くなっている」と報道する傾向が見られる。
たとえば7月1日に発表になった6月調査の日銀短観。大企業製造業の景況感が「大幅に改善」と報道され、これに合わせるように甘利経済財政担当大臣は都内の講演で「実体経済は明確に回復している」と話したそうだ。

 そこで日銀短観の統計を調べてみると、今年の3月の調査と比べて大企業製造業の景況感は、「良い」が11%から15%に増え、「悪い」が19%から11%に減ったが、「さほど良くない」は70%から74%に増えている。統計では「良い」から「悪い」を引いた数値だけが公表されるので、統計上は3月のマイナス8から、6月はプラスの4に「大幅改善」となってしまう。でも、実態は大企業製造業の15%が「良い」と答えているに過ぎない。残り85%は「さほど良くない」「悪い」と答えているのである。

 この数字を見て株価だけではなく実体経済も回復していると言われても、ほとんどの国民は実感として納得できないのではないだろうか。そもそも、日銀短観では生活者の声はまったく反映されていない。

 雇用の安定や所得の上昇という形で、実体経済が回復しているならとても素晴らしいことだと思う。でも、水面下のわずかな動きを捉えて、あたかも実体経済が本当に回復しているような言い方はどうだろうか。国民を惑わすだけではないだろうか。

 政治家は、もっと地に足の着いた議論をすべきだ。上滑りの議論で日本経済の本当の実体を見誤ってはならない。

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