鹿野道彦 今日の主張

 ◎「地価下げ止まりに見える大都市と地方の格差」 2013.7.3

 国税庁が7月1日に発表した2013年分の路線価(主要な道路に面した土地の一平方メートルあたりの価格。相続税や贈与税の算定基準となる)は、全国平均で前年比1.8%下落となった。新聞報道によれば、下落幅は4年連続で縮小し、大都市を中心に「地価は底入れした」と言う。
 しかし、都道府県庁所在地の最高路線価を見ると、1位は東京都の2152万円、2位は大阪市の712万円なのに対し、東北地方では仙台市が11位で166万円となっているほかは、盛岡市が35位で24万円、山形市が39位で17万円、青森市が40位で16.5万円、福島市が43位で15万円、秋田市が44位で14万円となっている。
 東京都の最高路線価は山形市の127倍。単純に計算すると、東京の土地1坪を売れば、山形の土地を127坪も買えることになる。同じ日本のなかで、これほどの格差があることに、改めて驚いた。
 実体経済は回復していると、安倍政権は参議院選挙を前にして盛んに強調するが、回復の恩恵は大都市に集中しており、地方には回ってこない。こうした格差を放置したまま、全国平均の統計だけを見て回復していると言うのは、あまりに「我田引水」の議論ではないだろうか。
 かつての高度成長の時代であれば日本全体が成長すると、都市と地方の格差も縮小した。しかし、いまのような低成長の時代では、成長しても、その成果はほとんどが大都市に向かってしまう。つまり、成長すればするほど、格差が拡大するという事態が生じている。
 そうした格差を是正するのが政治の役割である。成果の分配まで市場原理に任せてしまうと、アメリカのように1%の超金持ちに富が集中し、99%の私たちは報われない。民間のエネルギーで成長することも重要だが、その成果を公平に分配することも忘れてはならないのである。

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