鹿野道彦 今日の主張

 ◎ちょっと気になる経済報道。何が真実か? 2013.7.9

 昨日までとうって変わって、山形は晴天だった。
 33度と夏本番の到来を感じる中、中選挙区制時代の私の選挙区であった、白鷹、長井、南陽、高畠、米沢、川西、飯豊、小国を引き回してもらった。
西から東へと駆けずり回った懐かしい景色がそのまま残っており、集まって下さった方々も、幾分歳をとったとはいえ、かつての面影を残した顔ばかりで、懐かしさで胸が熱くなった。
「20年ぶりに、かの道彦と書いて投票できる」とにこやかに迎えて下さり、変わらぬ友情に感謝せずにはいられない。


本日も、ブログを一本お届けする。


◎「ちょっと気になる経済報道。何が真実か?」

 7月8日、財務省から今年5月の国際収支が発表になった。その中で貿易収支、すなわち輸出額から輸入額を引いた金額は、9067億円と9ヶ月連続の赤字となった。
 赤字の理由として、日本経済新聞は「原子力発電所の再稼働が遅れ、原油の輸入が引き続き拡大したためだ」(7月8日付け夕刊)と報じていた。同じ新聞の第一面では「5原発10基 再稼働申請」と見出しを掲げて、そのリード部分では「来年以降は原発の再稼働が相次ぐ可能性がありそうだ」とも報じていた。
 この二つの記事を重ねて読むと、原発の再稼働が遅れると貿易収支の赤字も続くのではないかと思ってしまう。しかし、同じ財務省の通関統計で原油の輸入価格の推移を見てみると、自民党が政権に就く前の昨年11月時点では1バーレル113.9ドルだったが、この5月は同106.51ドルとドルベースでは 6.5%下落している。これに対し、円ベースではアベノミクスによる円安の進展で、同期間で1キロリットルあたり5万7175円から、6万6550円に16.4 %も逆に上昇しているのである。
 福島原発の事故以降、火力発電のウェイトが上昇しているため原油の輸入額が膨らんでいることは事実である。しかし、その増加要因を調べてみると、輸入量の増加よりも、輸入価格の上昇のほうが大きいことが、内閣府の調査レポート(「経常収支の黒字縮小の要因と最近の円安の影響」マンスリー・トピックス No18)でも示されている。
 つまり、貿易赤字の主因と言われる原油輸入額の増加は、前年比で見た場合、原発停止による輸入量の増加よりも、円安による円建て輸入価格の上昇のほうが影響としては大きいのである。
  経済関係の報道については、新聞記事を鵜呑みにするのではなく、実際に統計に当たってその真偽を確かめてみることも重要だ。そうでなければ、円安による原油輸入額の増加まで、原発停止のせいだと錯覚してしまう恐れがあるからだ。
国民の目線で政治を行うためには、こうした報道の細部にも目を光らせておくことが大切である。

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