鹿野道彦 今日の主張

 ◎安倍新首相 所信表明

9月29日金曜日、衆参本会議で安倍新首相の所信演説が行われた。


全身全霊を傾けて、「美しい国をつくっていく」ということであるが、どうすれば美しい国になるのか、残念ながら具体策に乏しい所信表明であった。


イノベーション(技術革新)を軸に経済成長路線を推進し、再チャレンジ等の諸施策を講じていくということなのだろう。ならばイノベーションの為に、どのような政策を展開していくのか。また、どうやって再チャレンジするのか、具体化については述べてない。


安倍首相の政策の目玉とも言える教育についても、教育再生会議を設置するにとどめ、自民党総裁選で強調したバウチャー制度導入も、文部科学省が否定的であるということからか一言も発しなかった。


日本版NSC(米国家安全保障会議)の設置もただ創設するということだけである。


安倍首相が今日まで常に踏み込んだ発言をしてきた、集団的自衛権の行使を認めることも「研究する」にこれまたとどめている。


消費税についても「逃げず、逃げ込まず」の姿勢で対応するということだ。何のことか分からない。


憲法改正の意欲は「与野党の議論で方向性が出てくることを願っている」ではどこに行ってしまったのか。


自民党総裁選で華々しく訴えておった、諸々の公約はなんだったのかということだ。


国民の支持率が高いから、ただ無難に無難にやっていけばよいということであるとするなら、結局のところ従来の自民党の官僚主導政治の延長にすぎない。これでは日本の未来は拓けない。ましてや所信表明で決定的に欠けている点は、財政再建である。


もし成長すれば解決するということであるとするなら、責任を持っての発言ではない。


国の借金は827兆円にもなってしまったのだ。「改革なくして成長なし」と強調した小泉前首相は、在任中150兆円も国の借金を増やしている。言わば150兆円もバラマキしながら格差を拡大してしまったのだ。歴代総理の在任中としては、最も大きい借金である。国民一人当たり120万円の借金を、押しつけたのだ。そして歳出カットは横ばいである。


この小泉路線を継承するという安倍政権は、財政再建をまたまた先送りするということなのか。安倍政権としての国民に対する責務を、もっと明らかに示すべきであると考える。


今日、国民は将来に対する安心を求めているのである。今、国民の6人にひとりが、3人家族で年収200万円以下の生活を強いられている現実を考えた時、再チャレンジする機会をつくることも大事なことであるが、要は再チャレンジしなくともよい社会をつくることなのだ。



 | HOME | 

カレンダー

« | 2017-11 | »
S M T W T F S
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

月間アーカイブ