鹿野道彦 今日の主張

 ◎株価と経済運営

15日の東京株式市場で日経平均株価が下落し、今年最安値を更新した。アメリカの低所得者向け住宅融資(サブプライムローン)の焦げ付き問題を背景に、米国株が大幅安となった流れが日本の経済にも波及する恐れが出てきたと言われている。
日本経済は輸出や海外部門の売り上げなど外需で成長しているだけに、アメリカ経済の変調は大きな打撃である。
経済は言うまでもなく、どこまでも拡大するわけではない。どこかの時点で調整がある。
アメリカのサブプライムローンの焦げ付き問題も、ローンを組んで家を買って値上がりしたら売って、又別の家を買うという構図は高値で買ってくれる人がいなければ成り立たないということだ。
結局のところトランプで例えれば「ばばぬき」のようなものだ。枚数が多い時は「ばば」を引く確立は低いが、枚数が少なくなれば最後には誰かが「ばば」を持たざるを得ない状況とも言えるのだ。
ましてや自分の資金で家を買っているのなら財産が目減りするだけだが、借金して買っているのだから家を買ってくれる人がいなければ、不良債権になり、借りている側も貸している側も苦しくなるいわばダブルパンチを受けるということである。
アメリカの経済の拡大が速かっただけに、当然調整の時をむかえるということではないだろうか。
日本も2002年には株価が8,000円台まで下がった時もあったが、現在は2倍の株価である。上がり方が速すぎるとも言われている。
経済運営は長期課題と短期課題のバランスを取ることが必要である。
しかしどうしても経済が悪い時は手立てをするが、調子の良い時は冷やすということはなかなかしにくい傾向にある。故に日本経済は過熱してしまうのだ。「屏風と商売はひろげ過ぎると倒れてしまう」という諺があるが、まさにしっかりと噛み締めなければならないということである。
日本経済も調整がおきると一時的には落ちるところまで落ちる可能性もあり、今後厳しくなることも予測しておかなければならない。
特に株式市場は主にアメリカ人が株を買っていたが、自分の国での株の値下がりの借金を返済するのに、日本市場で株を売って調達することになるだろうから株価は下がる傾向だとも言われている。
そしてドルが不安定になれば当然円高ということだ。輸出国の日本経済大きく影響を及ぼすことになる。
小泉政権以来、日本経済はマーケットに委ねるという考え方で運営されてきた。
故に政府のコントロールがきかないところが出ている。
しかしながら国民生活を考えるならすべてマーケットにまかせるということでなく、格差是正も含めて人間が調整することも必要ではないだろうかと考える。
すなわちマーケットは人間の「欲」でまわるのだ。
この時社会全体が「欲」だけ全面に出ていいのだろうかということだ。
場合によっては「欲」を抑えながらおもいやりの気持ちを重んずる社会を形成することも大事なのだ。これが政治の役目である。
人間の「欲」だけで社会を動かすことは限界があるということである。
だからとりわけ小泉政権以降の構造改革の限界を感ずるのである。
人間社会は白か黒だけで決着するのではない。人間の色も多様であるはずだ。
様々な色をどう組み合わせるかが大切になってくる。
今こそ政治の役割とは何かを考え、セーフティネット(安全網)を築くことの重要性を認識する時が来ているのではないだろうかと考える。

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