鹿野道彦 今日の主張

 ◎食料自給率

8月に衝撃的な数字(統計)が発表された。
わが国の食料自給率が、40%を割って39%になったことである。
農林水産省は昨年の秋の台風、夏の集中豪雨など原因に挙げているが、いかなる理由があるにせよ深刻な問題として受けとめなければならない。
先進国の中でも、39%の低い自給率は日本だけである。
自民党政府は品目横断的経営安定対策を策定し、2015年に食料自給率45%を目標に定めている。
そして農作物の作付け延べ面積471万ha、耕地利用率105%にこれまた目標に掲げたのである。
しかしながら2006年の作付け面積は434万ha台に、耕地利用率は93%に減少したのだ。また販売農家も7万戸減ったのである。
このままでは今後WTO(世界貿易機関)農業交渉の成り行きも含めて、日本の農業の有様が根本から崩れることもありうると危惧されるのである。
ましてや地球温暖化現象による農業生産の減少、トウモロコシ等の穀物価格の高騰など、農産物の国際市場は一層タイト(厳しい)な状況になってきているのである。
現にわが国の輸入小麦価格が、この10月から10%引き上げられることが昨日発表された。
加えて、中国等からの輸入食品の安全性が国際社会で問題視されている時、いかにしてわが国の安心安全の食生活を確立していくかが喫緊の課題であることは言うまでもない。
そのための基本施策のひとつは地産地消である。
地産地消は、農村集落が維持されてこそ成り立つのである。
農村が保たれてこそ環境が守られるのである。農業者の意欲が農村を発展させ、食料自給率を向上させることになるのだ。
今こそ、農業者の所得を高めることを考えていかなければならない。
7月23日付け農業新聞対論で、竹中前総務相は「村落が疲弊しているのは村外に息子が出ていったことが理由でしょ」「地方が自助努力を怠って来ただけだ」と語っている。
まさに農村現場無視である。
過って仏のドゴール大統領は「食料自給率100%でなければ独立国とはいえない」と発言した。
この言葉は、ドイツ、イギリスの国民を刺激し両国が国挙げて食料自給率向上に取り組む切っ掛けになったとも言われている。
食料自給率は食糧安全保障の根幹である。食料自給率の向上は政治の責務である。
今こそわが国の政治指導者の姿勢が問われているのだ。

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